喜っ川のこだわり【製法と伝統】

喜っ川の伝統は「発酵」にあります。味噌醤油造りの歴史をもち、【写真】鮭の塩引き江戸時代に現在の村上市大町に店を構えてからは終戦の年まで酒造りを行い、発酵の世界を歩んできました。戦後、村上の大切な食文化である鮭料理が途絶えかけようとした時に、「鮭料理を絶やしてはいけない」と一大決心をし造り酒屋から身を転じ、塩引き鮭鮭の酒びたし鮭の飯寿司など発酵食品である郷土の鮭料理を製品として造るようになったのです。本物の鮭料理を守り伝えるという使命感の中でやってきたものですから、戦後の化学調味料や添加物などを使う時代にあっても、このような文明を頑(かたく)なに拒否して参りました。塩引き鮭は、3〜4週間じっくりアミノ酸発酵させ、鮭の酒びたしは数ヶ月から一年かかります。鮭の飯寿司は杉桶に漬け、1ヶ月かけ乳酸発酵させて造ります。鮭の昆布巻などの煮物でも、圧力釜などで短時間で作らず、時間を掛けて調味料を重ね重ね味付けをし、更に一晩煮止めして2日がかりで煮上げます。

【写真】囲炉裏端の鮭の塩引き11月に入ると北西の冷たい風が吹き始め、塩引鮭の仕込が始まります。天井からは数百匹の鮭が吊るされるのですが、それまで閉めていた窓も全て開けて家の中に冷たい風を入れます。家の中は外気と同じ気温に下がります。寒くなるこの時期は、たとえ寒くても雪が降っても窓は開けっ放し。美味しい塩引鮭を作るには、その中で生活している私どもが寒くても我慢しなければならないのです。私が子供の頃「寒いから閉めてくれ」と父に頼んだら「お前が厚着をしなさい」と言われ、窓を閉めてはくれませんでした。きっと子供より鮭のことが大切なんだろうと思いましたが、やはりそうで、この家で一番えらいのは鮭で人間はその次だと言われて育てられてきたのです(笑)。文化を守るのは大変だと思いながらも、子供心にも次第に鮭を大切にする思いに誇りを感じるようになったのを覚えています。

喜っ川では昔ながらの手作りで伝統を守り本物を作ってこそ意味があるという信念で、化学調味料や添加物を使わず、お客様に喜んで頂ける本物の味わいづくりを続けています。(専務 吉川談)

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