喜っ川の町屋はうなぎの寝床のように細長く、村上の典型的な町屋の一つです。
店舗部分は、昔の座売りをしており、実際に川漁で使われていた細長い川舟が店の特徴です。店から奥に進むと、タイムスリップしたような茶の間や吹き抜けの天井、大黒柱に松の梁があらわれます。仏壇、神棚に囲炉裏があって、
明治時代を感じる町屋のつくりになっています。また裏まで通り土間が通って、天井の梁から1000匹以上の鮭が吊るしてある光景には、多くのお客様から驚きの声が上がります。また、吊るしてある鮭のために年中、裏も表も窓も開けっ放し。鮭が美味しく発酵するように、真冬は住んでいる人間が鮭に合わせて、
マイナス4℃にまでなるような環境の中で暮らしています。
茶の間は明治の建築で築120年、奥の土蔵は築180年の江戸末期の建物で、国の登録文化財になっています。
ところで今は資料室になっているこの部分、その昔は女中部屋でした。
戦前の造り酒屋をしていた時代には階段はなく、はしごを使っていました。住み込みの若い衆が夜半、女中部屋に忍び込んだりせぬように、女中さんが上がった後は、自分ではしごを部屋に引き上げて、不可侵の領域を自ら作っていたとか。面白いエピソード一杯のきっかわの町屋、お越しいただくと楽しい話がいろいろ聞けます!
村上では町屋を保存・再生するため「町屋の外観再生プロジェクト」を行っています。詳しくは弊社専務吉川真嗣のサイトをご覧ください。
喜っ川より歩いて2分のところに城下町の風情が漂う黒塀の通り(安善小路)があります。重要文化財の浄念寺はじめ、江戸時代のお寺の山門、歴史的な坂道などがあり村上に来たならぜひ歩いて頂きたい小路です。この一角にあるのが登録文化財の浪漫亭です。背の高い美しい建物で、天守閣みたいと言われます。昭和初期の名建築と謳われ、時代を感じさせる格子が印象的ですが、取り壊しの危機にあったものを専務吉川が買い取り保存したものです。
この浪漫亭を村上のまちづくりに役立てようと3月の「町屋の人形さま巡り」と9月の「町屋の屏風まつり」、10月の「宵の竹灯籠まつり」に公開しています。黒塀の通りのこの小路をぜひ散策してみて下さい。


